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改正労働基準法
労働者が健康を保持しながら、労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することが重要な課題となっています。
改正労働基準法は、長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに仕事と生活の調和がとれた社会を実現することを目的としています。
主な改正点
@「時間外労働の限度に関する基準」の改正
(限度時間を超える時間外労働の労使による削減)
A法定割増賃金率の引上げ
B代替休暇制度の導入
C時間単位年休の導入
「時間外労働の限度に関する基準」の改正
時間外労働は、必要最小限にとどめられるべきものであり、労使の努力によって限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を引き上げること等によって、限度時間を超える時間外労働を抑制することとしたものです。
労使当事者は、特別条項付時間外労働協定を締結する場合には、限度額を超える時間外労働をできる限り短くするように努めなければならないものとすること
特別条項付き協定では、限度額を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めなければならないものとすること
この限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めるに当たっては、法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めなければならないものとすること
Point
特別条項付き協定で限度額を超える時間外労働に係る割増賃金率を定める場合も、努力義務であるため必ずしも25%を超えなければならないわけではない。
法定割増賃金率の引上げ
1か月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働について、法定割増賃金率を現行の25%以上の率から50%以上の率に引き上げることとしたものです。
Point
中小企業(労働基準法第138条に規定するもの)については、当分の間、法定割増賃金率の引上げは適用されません。
代替休暇制度の導入
1か月について60時間を超えて時間外労働を行わせた労働者について、労使協定により、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を与えることができることとしたものです。
Point
割増賃金の支払に代えて代替休暇を付与することとするには、労使協定を結ぶ必要があります。
中小企業(労働基準法第138条に規定するもの)については、当分の間、代替休暇(労働基準法第37条第3項)も適用されないこととなります。
時間単位年休の導入
労使協定により、年次有給休暇について5日の範囲内で時間を単位として与えることができることとしたものです。(時間単位年休)
時間単位年休1時間分の賃金額は、@平均賃金 A所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金B標準報酬日額(労使協定が必要)をその日の所定労働時間数で割った額になります。
Point
@〜Bのいずれにするかは日単位による取得の場合と同様にし、就業規則に定めることが必要です。分単位など時間未満の単位での取得は認められません。
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